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初代会長 八幡義生 (1907-1975) のプロフィール

 明治40年7月東京生まれ。関東大震災で被災し大正14年に鎌倉に移住した。戦前には美術工芸家(染織および刺繍)の道を歩み、昭和8年に『創作手工芸図案集』を刊行。東京の三越や白木屋において個展を開いている。昭和11年に鎌倉町工芸界のより良き発展の為に、同志とともに鎌倉町工芸協会を組織した。その活動の一環として古都の景観保存や文化財研究などを目的とした「国宝・什器見学ト古跡巡リノ会」をスタートさせた。時に第1回は昭和11年7月で、内容は鎌倉国宝館に展示された鎌倉古社寺の名宝展の見学であった。鎌倉国宝館は 昭和3年に鶴岡八幡宮境内に開館した歴史・美術系博物館である。関東大震災で鎌倉の古社寺は大きな被害を受けたが、その教訓から不時の災害から古都の文化遺産を保護し、公開展示する施設として誕生した。
  戦前戦中の社会情勢の変化の中で、工芸資材の入手困難な状況に直面する。美術史に強い関 心を持っていた初代会長は、月替わりに展示される中世武家文化の名宝の数々に心を打たれ、 所蔵する鎌倉の古社寺を訪ね歩いたという。実物の名品に接し、その資料を所蔵する社寺や古跡などを現地で体感するという本会の現地主義はこうして生まれたのである。
  昭和15年、釈迦堂遺跡を「伝北条時政邸」と命名。この遺跡からは昭和28年青磁鉢3口が発見され、同54年に重要文化財に指定され、遺跡は平成22年に国史跡となった。昭和15年には鎌倉市郷土誌編纂委員を委嘱され、翌年には『神奈川県国宝・重要美術品・史蹟名勝 天然記念物総目録』出版。
 昭和19年11月からやむなく休会した国宝史蹟研究会は同20年10月から再開し、同28年には優良文化団体として神奈川県教育委員会より表彰された。初代会長は昭和26年に鎌倉郷土史同好会(後に鎌倉史学同好会と改称)を設立し、古都の歴史や伝統文化の調査と啓蒙に尽力したが、同32年には鎌倉市教育委員会より表彰されている。『かまくら子ども風土記』の校閲や鎌倉市住居表示審議会委員を委嘱され、鎌倉市や逗子市の社会教育功労者表彰なども受けている。著書に『鎌倉名宝聚英』『東海道―安藤広重の「東海道五十三次」と古道と宿駅の変遷』ほかがある。