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二代会長 八幡義信 (1939 ~) のプロフィール

  昭和14年、八幡義生初代会長の次男として鎌倉町小町に生まれる。昭和21年鎌倉市立御成小学校入学。御成中学、県立鎌倉高校を卒業後、国学院大学文学部史学科、同大学院日本史学専攻博士課程修了。昭和44年、神奈川県立博物館(現、歴史博物館)学芸部勤務。小学校時代から初代会長の下で現地調査や史跡巡り、国宝史蹟研究会例会などに参加し、歴史・文化の現場でさまざまな知識を習得していった。昭和43年、初代会長が心臓疾患により長期療養したために会務を補佐。同50年急逝(67歳)にともない二代会長(36歳)となり、第449回(昭和43年6月例会)より第980回(平成27年9月)に至る。
  二代会長は、県立博物館では主任学芸員として中世部門を担当し、専門学芸員を経て平成7年リニューアルオープンした県立歴史博物館の初代学芸部長に就任し、神奈川県博物館協会事務局長を務めた。
 博物館時代32年における担当企画展示には、「中世の陶器」、「日本のうつわー縄文から明治まで」、「吾妻鏡―鎌倉幕府の記録」、「日本のこよみ」、「日本の民窯―暮らしのやきもの」、「神奈川の山と信仰―大山」、「越前朝倉氏一乗谷」、「鍋島―藩窯から現代まで」、「鶴岡八幡宮―明治以前の神と仏の世界」、「鎌倉開府八百年記念―鎌倉のまつり」、「没後800年記念―源頼朝とゆかりの寺社の名宝」ほかがある。主な博物館資料の収集では、「源頼朝下文・頼家下文(共に県指定文化財となる)」、「吾妻鏡版本(慶長古活字版を含む四種)」、「豊臣秀吉自筆書状(北政所ねね宛)」、「鶴岡八幡宮相撲職文書(旧金子家文書、頼朝下文を含む五通)」「円覚寺帰源院文書二十六通」、「徳川家康朱印状」、「二条道平御教書(元弘3年、久遠寿量院別当職補任状)」、「中世陶器」、「中世漆器(鎌倉彫等)」、「東洋陶磁器、漆器類」等。
 また博物館時代には、京浜(鎌倉)女子大学、東京女学館大学の非常勤講師を務め、藤沢市・茅ヶ崎市・横浜市・寒川町などから博物館建設準備委員会委員、博物館資料収集検討委員会委員、文化財保護審議会委員などの委嘱を受けた。平成12年の博物館退職後、鎌倉女子大学専任教授となり、同大学に生涯学習センターを設立しセンター長となる。
 現在は、鎌倉国宝館評議会会長、神奈川県文化財協会会長、NPO法人ICP鎌倉地域振興協会理事長として神奈川県や鎌倉の地域振興に寄与するほか、国史学会(国学院大学)、政治経済史学会、武蔵野文化協会などの理事でもある。専攻は日本中世史。
 昭和15年、初代会長が鎌倉同人会発行の「鎌倉地図」に伝北条時政名越邸跡と記した史跡地からは、昭和28年に3口の中国宋・元時代の青磁大鉢が出土し、釈迦堂周辺の「やぐら群」の存在も明らかになった。この青磁大鉢3口は東京国立博物館に収蔵され、昭和54年に重要文化財に指定された。平成19年、突然この遺跡地の宅地造成による開発問題が起こる。二代会長は、中世遺跡地の保全と史跡指定を求める大町6・7丁目自治会の方々と共に、文化庁青木保長官を訪ね遺跡地の重要性を説き、保存の要請書を提出した。また鎌倉市議会や神奈川県議会にも史跡指定の働きかけを行った。同20年には約300屬慮獣歪敢困実施され、翌年に「大町釈迦堂口遺跡発掘調査報告書」が刊行され、22年8月5日官報に国史跡指定が公示された。鎌倉中世武家屋敷跡の指定は、昭和53年の北条氏常盤亭跡につぐ2例目である。
 平成23年からは「御成小学校旧講堂」の保全と活用をめざしての取り組みを行っている。この大建造物は、昭和8年に建設された近代都市鎌倉を象徴するもので、洋風建築に和風の伝統意匠が生かされた貴重なもの。日本建築学会からも「鎌倉における近代建築の中でも特異な存在であり、立地と学校成立の歴史を配慮した建物の意匠は、古都の景観を伝えるもの」と評価している。昭和60年代に校舎の老朽化に伴い改築されることになったが、その予備調査の過程で地下に古代〜近代の重要な遺跡群が発見された。そうした都市遺構に配慮した学校施設の改築が1998年竣工した。改築工事の基本構想の中に「講堂は修復現状保存を図ること」として、引き続き改修保存してゆくことが位置づけられたが、その後放置されたままの状態が続いた。校舎改築後、さまざまな市民団体が講堂の保存を市に陳情する中、平成23年に中島章夫(鎌倉中世博物館を支援する会)、福澤健次(御成小学校改築専門委員)の両氏とともに「御成小講堂の修復改築・保存・活用の実現」に向けた要望書を市長宛てに提出した。この取り組みから、22名の発起人により平成26年4月に設立されたのが「御成小学校講堂の保全活用を考える会」で、事務所を公益財団法人鎌倉風致保存会に置いて活動を続けている。同27年7月には鎌倉市議会に置いて市長が「保全と学校施設としての利用を進める」主旨を明言した。
 平成24年から始まった鶴岡八幡宮参詣道(国史跡・若宮大路段葛)の改修工事は、石組みの崩落による事故防止と桜樹の枯渇に対処するものであるが、その改修検討委員会会長として史跡保存と信仰の両面から最善の改修方法を検討するため取り組んでいる。26年11月に着工した改修工事は28年3月に竣工予定である。
 二代会長のライフワークの一つである「吾妻鏡研究」については、鶴岡八幡宮鶴岡文庫教養講座、鎌倉女子大学生涯学習センター講座のほか、鎌倉、横浜、茅ヶ崎各自治体教育委員会による市民向け講座を経て引き続きで講読会を継続している。